隠れ肥満とは?BMIが普通でも体脂肪率が高い人の特徴と対策
体重もBMIも普通なのに、体脂肪率を測ると高い――そんな状態は「隠れ肥満」と呼ばれます。見た目ではわかりにくいぶん気づくのが遅れがちですが、体脂肪が多いことによる健康リスクは、見た目が太っている人と変わりません。
隠れ肥満とは
隠れ肥満は医学的な正式名称ではありませんが、一般にBMIが普通体重(18.5以上25未満)なのに、体脂肪率が高い状態を指します。体脂肪率は男性で25%以上、女性で30%以上がひとつの目安です。
BMIは身長と体重から計算する指標なので、体重の中身が筋肉なのか脂肪なのかは区別できません。筋肉が少なく脂肪が多い人は、体重が軽くてもBMIは普通の範囲に収まってしまうのです。
とくに注意したいのが、お腹の内側(内臓のまわり)に脂肪がたまるタイプです。内臓脂肪は高血圧や脂質異常症、糖尿病などと関係が深く、見た目がスリムでも健診で数値を指摘されることがあります。
隠れ肥満になりやすい人
- 食事制限だけのダイエットをくり返してきた:食べる量だけを減らすと脂肪と一緒に筋肉も落ち、リバウンドで戻るのは主に脂肪です。これをくり返すと体脂肪の割合が少しずつ高くなります。
- 運動習慣がない:筋肉は使わないと減っていきます。デスクワーク中心で歩く機会が少ない人は要注意です。
- 甘い飲み物やお菓子、夜遅い食事が多い:体重がそれほど増えなくても、糖質や脂質のとりすぎは脂肪の蓄積につながります。
- 年齢を重ねた:加齢で筋肉量が減ると、体重が同じでも体脂肪率は上がりやすくなります。
隠れ肥満のチェック方法
1. BMIと体脂肪率をセットで見る
まずBMIを計算し、次に体組成計などで体脂肪率を確認しましょう。BMIが普通で体脂肪率が高ければ、隠れ肥満の可能性があります。体組成計がない場合は、ウエスト・首・ヒップの周囲径からの推定でも目安がわかります。
2. 腹囲を測る
おへその高さで測ったウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上は、内臓脂肪がたまっている目安とされ、メタボリックシンドロームの診断基準にも使われています。
3. 20歳のころからの体重変化
20歳のときから体重が10kg以上増えている人は、増えた分の多くが脂肪である可能性があります。逆に体重が変わっていなくても、筋肉が脂肪に置き換わっていることもあります。
改善のポイント
隠れ肥満の改善で大切なのは、体重を落とすことより、筋肉を保ちながら脂肪を減らすことです。
- 筋トレを取り入れる:スクワットなど大きな筋肉を使う運動を週2~3回。筋肉が増えると基礎代謝も上がります。
- 有酸素運動を習慣に:ウォーキングなどを1日合計30分程度。内臓脂肪は比較的減りやすい脂肪です。
- たんぱく質をしっかりとる:肉・魚・卵・大豆製品を毎食とり入れましょう。
- 極端な食事制限をしない:減らすなら甘い飲み物や間食、脂っこい食事から。
体重計の数字だけにとらわれず、体脂肪率や腹囲の変化を記録していくと、取り組みの成果がわかりやすくなります。
この記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、医学的な診断や治療に代わるものではありません。持病のある方や治療中の方は、医師や管理栄養士にご相談ください。
参考資料
- 日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』
- メタボリックシンドローム診断基準検討委員会『メタボリックシンドロームの定義と診断基準』(2005)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「内臓脂肪型肥満」